同時進行的な6編
本石町の裏店×2編、蔵前の札差、米沢町の薬種問屋×2編、神田相生町の岡っ引き...
いずれもある時期の江戸の町々の滑稽な連中の暮らしぶりを描いている。
それぞれの世界に接点はないが、
同じ年の同じ時間の流れの中で本書の物語は進んでいるらしい。
今度はひとまとめにして各編の人物が接点を持つ話も書いてくれないかな。
ツッコミにツッコミが重なったドタバタ劇になりそう。
軽い味わいが身上。
軽い味わいの時代笑劇のよう。 札差も職人も同じ「江戸っ子気質」でくくられているのは座りが悪いが、細かいことは言わずにさらっと楽しむのがこの本だと思う。 出張の新幹線の中、頭を使う本は読みたくないけど、つまらない雑誌も読みたくない、というときなど最適では。個人的には再読する本ではないと思うので、文庫本とはいえコストパフォーマンスはいまひとつでしたが。
イキイキ宇江佐ワールド
幼い頃、耳にしていた近所の名物じいさんやおばちゃんたちそのももの話し言葉を聞くようで、とても懐かしく、時代を忘れてのめり込んでしまいました。 最近はどうして?という悲しすぎる事件が多くて、暗い気分になるばかりですが、この作品の登場人物たちは、思わず抱きしめたくなるくらい、根が「いい奴」なんですね。ちょっと昔は誰もがこうだったなあ。特別のヒーロー、ヒロインではなくても、市井の人びとにこころがあった時代。宇江佐ワールドの真骨頂ですね。 どの作品もテレビドラマ化してみたくなるくらい細部まで楽しめ、しまいには(脳裏で)映像化までして楽しんでしまいました。
笑いに重点を置いた人情話です。
市井の人々の日常を暖かい視線で描いてます。 宇江佐さんは我々に親子や夫婦のみならず周囲の人々との繋がり大切さを教えてくれます。 6編からなる連作短編集ですが連作と言っても2編×2の4編とあと2編は独立した短編となっている。 表題作はおてんば娘お吉ことおちゃっぴいが縁談を拒み逃避して活躍します。 副タイトルの江戸前浮世気質から見てもわかるようにいちばんこの短編集の特徴をあらわした作品となっている。おきゃんな“おちゃっぴい”が活躍するところは声援を送らずにいられません。 それ以外は大工・岡引・薬師問屋が活躍しますが、私は薬師問屋の菊五郎が特に好きで、いつまでも過去の恋愛を引きずっている登場人物がある意味微笑ましく感じました。 本作は宇江佐さんの作品の中で最も庶民的で江戸っぽい作品かなあと思います。 それだけにそれぞれの主人公が啖呵を切るシーンがとってもみものとなってます。 どれもが泣いて笑えるハートウォーミングストーリーですが、『深川恋物語』のようなしっとりとした雰囲気はないような気がします。 切なさよりも笑いに重点を置いた人情時代小説と言えそうです。
徳間書店
神田堀八つ下がり―河岸の夕映え (徳間文庫) 銀の雨―堪忍旦那為後勘八郎 (幻冬舎文庫) 甘露梅―お針子おとせ吉原春秋 (光文社時代小説文庫) 春風ぞ吹く―代書屋五郎太参る (新潮文庫) 斬られ権佐 (集英社文庫)
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