オスマン帝国―イスラム世界の「柔らかい専制」 (講談社現代新書)



オスマン帝国―イスラム世界の「柔らかい専制」 (講談社現代新書)
オスマン帝国―イスラム世界の「柔らかい専制」 (講談社現代新書)

ジャンル:歴史,日本史,西洋史,世界史
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寛容

ローマもオスマンもハプスブルクもある程度寛容な国家でないと反映しないようです。
現在でいうところのアメリカかと。
でもごみの問題は過去も未来でも大切だと思います。

どう「柔らかい専制」なのか分からなかった

西洋史に毒されている私には、中東の歴史がよく分からんので読んでみたのだが、結局よく分からなかった。もちろん、いわゆる歴史の事象の連続や人名は沢山出てきて、歴史書として文句があるわけではない。しかし、これを読むとオスマントルコの帝室や政府は奴隷ばかりからなっているように思えて、それが、いくら専制皇帝でも、それだけで機能するとはなかなか信じがたい。

現代のイスラム社会は部族社会であるように見える。それは、オスマン朝時代だってそうだったに違いないのだと思えば、ここに書かれている帝室+政府と別に部族社会があって、お互いに適当に不可侵な関係があったのじゃないかと想像を廻らせてみても、具体的な関係までは想像もつかない。経済的な両者の関係も、体制の安定には重要であったはずだが、本書では、東西貿易を押さえたことがオスマントルコの繁栄をもたらしたとの記述があるのみである。

一つ、納得したのは、奴隷が中心の政府であり、軍隊であることで、出世が出自より才能による面が西洋より大きかったことがオスマントルコを強くしたという記述だ。ただ、スタートが才能主義でも、すぐに体制となって、保守化するのが普通なのは世界の歴史の教えるところだ。オスマントルコが才能主義を続かせることが出来た理由については、本書は何も語っていない。

イスラム世界の香りもイマイチ感じないし、「柔らかい専制」もどう柔らかいのかよく分からない。進んだ学術・芸術についても、あまり記述はないし、あまり収穫はなかった。そもそも、イスラム世界については、なかなか良書がないのかなあ。
多民族共生のありかたを学ぶ

 トルコ民族のみならず、イスラームの普遍性にのっとった多民族国家であったオスマン帝国。その体制の秘密に迫る。
 基本的に緩やかに多民族が共生していたこの国も、19世紀以降のナショナリズムによって解体されて、悲惨な民族問題と直面している。
 19世紀的ナショナリズムを超え、また正しいイスラーム認識を提供してくれる読みやすい一冊である。
今日の様々な問題を考えるヒントを与えてくれる良書

塩野七生氏の「コンスタンティノープルの陥落」「ロードス島攻防記」「レパントの海戦」等で、時には残酷であるけれども魅力的な(ある意味騎士道精神を感じさせる)敵役として描かれるオスマン帝国が当時なぜあれほど強かったのか、イェニチェリをはじめとする軍制の起源は、などの疑問に答えてくれる良書です。将来の争いの種を断つために君主の兄弟殺しをイスラム法学者が是としたり、シーア派の粛清を行ったり等の残酷な面もありますが、総じて多民族・多宗教の共存に成功し、社会階層間の流動性が高く、それでいて当時の西欧諸国にはない常備軍と中央集権体制を備えていたことが隆盛の鍵であったことを本書は教えてくれます。一神教と多神教の違いはありますが、まるで元首制までの古代ローマを連想させてくれます。一神教の狂信ゆえの弊害を歴史的に長期にわたってこうむったのはキリスト教国であり、イスラム教国のほうが開明的であったこと、その帝国の基盤を揺り動かすことになる大きな要因は、西欧由来のナショナリズム・民族主義の噴出であり、それこそが現在の様々な国際問題の引金になったことを考えると、種々の欠陥はあったものの、イスラム教だからと及び腰になることなく、我々はこの多民族・多宗教の共存に成功した国の歴史から学べることは少なくないと考えます。
オスマン帝国を知る

オスマン帝国を、西欧側の偏見にとらわれず、中立の立場で、オスマン帝国を評価しています。
オスマン帝国の、人種、宗教などを寛容に受け止め、各々の自由をある程度認める素晴らしい帝国でした。このため、ありえないくらい長く帝国を維持することができました。
西欧は、身分の低い人々を束縛して、強い国をつくっていきました。しかし、その反感をかって、帝国は短命です。それに対して、オスマン帝国は、寛容によって、それぞれの人の善い所を利用し、強靭な国をつくることが出来ました。ただ、最後の滅びる時の文量が少ないのが、残念です。



講談社
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